タイトルはCHARAの曲より拝借しました。
ぽえっとをつついたら『うらら楽しかったよう・・・』だって!!何を言うんだこのえろうさぎ!!飼い主はどこだ!!私だ!!
プリキュアのOPの「愛するため育った」という歌詞がすごくすごく好きです。
「りんさんは、のぞみさんのこと愛してるんですか?」
後輩からの質問に、あたしは盛大にずっこけた。
「り、りんさん! 大丈夫ですか?」
「大丈夫よー情熱のりんさんは頑丈だからねー・・・・・・てかアンタ、何さっきの質問。からかってるの?」
うららは一瞬きょとんと目を丸くして、ぶんぶんと首を振った。
「そんなんじゃないんです。りんさんはいつも、のぞみさんの事を気にかけてるし、プリキュアのメンバーでは・・・・・・悔しいけど・・・・・・のぞみさんは、りんさんを一番信頼してるように思うんです」
そう言ったあとに、うららは俯いてしまった。
・・・・・・ははぁん。ヤキモチか。
こりゃ後輩というよりは、小さい子どもね。
あたしはぽん、とうららの頭に手を置いた。
「大丈夫よ。のぞみはね、すごい子なんだから。あの子は太陽みたいに、誰でも分け隔てなく大事に出来る子なの。うららも知ってるでしょ」
「・・・・・・私も、そのことはよく知ってます。でも、私が訊きたいのはそういう事じゃないんです!」
うららはあたしを泣きそうな目で見詰めた。
「私、りんさんからのぞみさんを取っちゃうかもしれません」
・・・・・・は?
「私、りんさんの事が大好きです。秋元先輩も水無月先輩も大好き。でも、のぞみさんを好きだと思う気持ちは、何だか違うんです」
うららはあたしの手を、小さい胸に押し当てた。
「ちょ、うららっ」
「ここに、爆弾があるような、そんな感じがするんです。爆発したら、私、わたし」
ほよ、とやわらかい感触が伝わって、あたしの顔がかあっと赤くなった。
「わ、分かったから! 他の人に見られたらどうするの、ああああたしがセクハラしてるみたいじゃない」
うららの手をそっと払うと、あたしははあ、と溜息をついた。
この子は、酷い意味でのぞみ並の大物だわ・・・・・・。
「ねえ、うらら。あんたの質問に答えてもいい?」
「・・・・・・はい」
「あたしは、確かにのぞみが好きよ」
「・・・・・・」
うららの括られた髪の毛が、するりと肩から落ちる。
「でも、多分あんたの気持ちとは違うと思う」
だって、あたしの中にはそんなものない。
「あたしはあたしなりの方法でのぞみを大事にするわ。あんたもそうすればいいんじゃない? でも、のぞみを傷つけるようなことするのは許さないからね。あんたの爆弾なんて、情熱のりんさんが止めてやるわよ」
「りんさん・・・・・・」
「さ、もうすぐのぞみが来るから。一緒に帰るよ」
「・・・・・・はいっ!」
「りんちゃん、うらら、お待たせー! もう、ココったら私だけ小テストのやり直しさせるんだよ! もうへとへと~」
「あれは散々な結果だったから当然よ。のぞみ、昔から言ってるでしょ、テストのときは一回見直してから出せって」
「む~、ちゃんとしてるのにぃ」
のぞみの膨れた顔を見て、うららが笑う。
あたしの目は、自然にその胸に行ってしまう。
爆弾が隠された、小さくてやわらかい胸。
あたしは、何としてもその爆弾からのぞみを守りたい。それはうららのためでもあるし、――あたしのためでもある。
・・・・・・あれ?
それって、ねえ、認めちゃってない?
「お待たせ」
「遅れてしまってごめんなさい」
「水無月先輩、秋元先輩! よーし、全員集合だね! それじゃあ今日は、みんなでナッツのお店に遊びに行くぞー! けってーい!」
のぞみは相変わらずわいわいと騒がしい。
うららはのぞみの半歩後ろでにこにこ笑っている。
いつも通りの光景なのに、落ち着かないのはどうしてだろう。
ざわざわして、じりじりして、どことなく追い詰められているような、焦るような気持ち。
もしかして、あたしの中にも。
あたしはその予感を頭から掻き消すために、のぞみの手を握った。
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